ツール

Androidでマルチタスク:分割画面、ピクチャーインピクチャー、フローティングウィンドウの使い分け

POMODIARY チーム · · 8 分で読めます

スマートフォンは多くの人にとってメインのコンピューターになりましたが、いまだにアプリをひとつずつ使っている人がほとんどです。ブラウザを開いてコピーし、メモに切り替えて貼り付け、また戻る。実はAndroidには、複数のものを同時に表示する方法がいくつも用意されています。ただし、動作のしかた、対応しているアプリ、バッテリーや集中力への負担はそれぞれ大きく異なります。このガイドでは主な選択肢と、それぞれが向いている場面、そして関係する権限を自分で管理する方法を説明します。

はじめにひとこと。メニューの名前やジェスチャーは、Androidのバージョンや端末メーカーによって異なります。ここでは一般的な動作とよくある設定場所を紹介しますので、お使いの端末では表記が少し違う場合があります。

マルチタスクの4つの方法

1. アプリのすばやい切り替え

いちばんシンプルなマルチタスクは、履歴(最近使ったアプリ)画面を使ったすばやい切り替えです。最近のAndroidスマートフォンの多くでは、画面下部のジェスチャーバーを横にスワイプすると直前のアプリに戻れます。上にスワイプして指を止めると、最近使ったアプリがすべて表示されます。

向いている場面: ときどき2つのアプリを行き来するとき。たとえば、メッセージアプリで確認コードを見て、別のアプリに入力する場合などです。

制約: 一度に表示できるのはひとつのアプリだけです。価格の比較や複数の値のコピーなど、2つを同時に見る必要がある作業では、何度も行ったり来たりすることになります。

2. 分割画面

分割画面は、ディスプレイを2つのアプリで分け合う機能です。縦向きなら上下に、横向きなら左右に並びます。ふつうは履歴画面から起動します。プレビューの上にあるアプリのアイコンをタップし、「分割画面」や「分割画面ビューで開く」といった項目を選んでから、2つ目のアプリを選びます。境界線をドラッグすれば、片方のアプリを広くできます。

向いている場面: 両方のアプリをしばらく表示しておく必要がある作業。たとえば、料理動画を見ながら文章のレシピを読む、資料を読みながらメールを書く、といった場合です。

制約:

  • それぞれのアプリが画面のおよそ半分になるため、小さめのスマートフォンでは窮屈に感じます。
  • 分割画面に対応していないアプリや、サイズを変えるとうまく動かないアプリもあります。
  • 文字を入力するときは、残りのスペースの大部分をキーボードが占めてしまいます。

3. ピクチャーインピクチャー

ピクチャーインピクチャー(PiPと略されることが多い)は、動画やビデオ通話を小さなフローティングウィンドウに縮小し、ほかのアプリの上に表示し続ける機能です。対応アプリでは、再生中にホームに戻ると自動で始まるか、プレーヤーのボタンから起動するのが一般的です。

ウィンドウはドラッグして移動でき、多くの端末ではサイズも変えられます。画面下部までドラッグすると閉じられます。PiPはアプリごとに設定します。Androidの設定のアプリの項目、または「特別なアプリアクセス」から「ピクチャーインピクチャー」を探し、アプリごとにオン・オフを切り替えてください。

向いている場面: 別の作業をしながら動画を見たり、通話を続けたりするとき。

制約: アプリ側が対応したコンテンツでしか使えず、PiPウィンドウに文字を入力することもできません。あくまで「見る」ための道具で、「作業する」ための道具ではありません。

4. フリーフォームとフローティングウィンドウ

フローティングウィンドウは、画面に表示されているものの上に重なる小さな移動可能なウィンドウで、パソコンのウィンドウに近い仕組みです。Androidでは2種類の提供元があります。

  • システムのフリーフォームウィンドウ。 メーカーによっては、一部のアプリをサイズ変更できるフローティングウィンドウで開けるようにしています。履歴メニューやサイドパネルから起動することが多いですが、使えるかどうかはブランドや機種によって大きく異なります。
  • 独自のフローティングツールを提供するアプリ。 メモ帳、電卓、ミニブラウザなどの小さなウィンドウを、ほかのアプリの上に表示するアプリです。メーカーの機能に依存しないため多くのスマートフォンで動きますが、特別な権限が必要です(後述します)。

向いている場面: メインのアプリを中断したくない短い作業。動画に出てきた数字を書き留める、読書中にちょっと調べものをする、クリップボードの履歴を手元に置いておく、といった場合です。

状況に合った方法を選ぶ

状況おすすめの方法理由
メッセージをちらっと見てすぐ戻るすばやい切り替え準備不要で、画面スペースも減らない
長時間、読みながら書く分割画面両方のアプリをフルに使える
動画や通話を流し続けるピクチャーインピクチャー小さく邪魔にならず、標準搭載
動画を見ながら手早くメモするフローティングのメモウィンドウメインのアプリのサイズが変わらない
アプリ間で複数の項目をコピーするフローティングのクリップボードやメモ何度も切り替えずに済む
読書中にさっとウェブで調べるフローティングブラウザメインのアプリがそのままの状態で残る

目安として、2つ目の作業が1〜2分以内で終わるなら、分割画面よりもフローティングウィンドウやすばやい切り替えのほうが作業の流れを妨げにくいでしょう。両方の作業が10分以上続くなら、分割画面のほうが向いていることが多いです。

「他のアプリの上に重ねて表示」を理解する

ほかのアプリの上にフローティングウィンドウを表示するアプリには、Androidの特別な権限が必要です。一般に 「他のアプリの上に重ねて表示」 や 「最前面に表示」 と呼ばれます。ふつうの権限のようにポップアップで許可するのではなく、専用の設定画面で許可するのが一般的です。設定のアプリの項目にある「特別なアプリアクセス」から見つけられます。

この権限は強力です。この権限を持つアプリは、画面上のあらゆるものの上にコンテンツを表示できます。チャットバブル、画面の明るさを下げるアプリ、フローティングタイマー、ツールウィンドウなどは正当な使い方です。しかし同じ機能は、原理的にはほかのアプリの内容を覆い隠すような悪用もできてしまいます。Androidがこの権限をふつうの権限とは別扱いしているのはそのためです。

おすすめの習慣は次のとおりです。

  • フローティング機能のために自分で意図してインストールしたアプリにだけ許可する。 入手元はGoogle Playなど信頼できるところにしましょう。
  • ときどき一覧を見直す。 「他のアプリの上に重ねて表示」の設定画面を開き、もう必要ないアプリはオフにします。
  • ログイン画面や支払い画面の上に、身に覚えのないフローティングウィンドウが現れたら警戒する。 ウィンドウを閉じ、どのアプリが表示しているのか確認してください。
  • いつでも取り消せることを覚えておく。 取り消すとフローティング機能が使えなくなるだけで、再びオンにすれば元に戻ります。

バッテリーとパフォーマンスの注意点

マルチタスク機能にはコストがかかります。実用上のポイントをいくつか挙げます。

  • いちばん負担が大きいのは動画です。 分割画面やフローティングブラウザなどで2つのアプリが同時に動画を再生・描画すると、バッテリーの消費が目に見えて増え、本体が熱くなることもあります。
  • 画面を点けたままにするモードは積み重なります。 レシピを読んだりワークアウトをしたりするときに画面を点けておく機能は便利ですが、ディスプレイはスマートフォンの中でも特に電力を使う部品です。使い終わったらオフにしましょう。
  • 使っていないフローティングウィンドウは閉じる。 隅に開いたままのウィンドウもメモリを使い、ウェブページを動かし続けていることがあります。
  • 古いスマートフォンはメモリが少なめです。 複数のアプリを同時に表示していると、Androidがバックグラウンドのアプリを早めに終了させることがあります。追加のウィンドウをたくさん開く前に、メインのアプリでの作業を保存しておきましょう。

プライバシーへの配慮

クリップボードのツールには特に注意が必要です。多くの人は、パスワード、ワンタイムコード、住所、口座番号などを何気なくコピーしています。クリップボード履歴は、それらをシステムのクリップボードよりも長く保持します。

  • 機微な情報をコピーしたあとは、クリップボード履歴を消去しましょう。
  • パスワードは手でコピーするより、パスワードマネージャーの自動入力を使いましょう。
  • 最近のAndroidでは、アプリがクリップボードを読み取ると短い通知が表示されます。使っていないアプリからの通知が出たら注意してください。

フローティングツールのアプリが役立つ場面

標準の機能は、動画(PiP)と2つのアプリを長時間使う作業(分割画面)をよくカバーしています。足りないのは、すばやく済ませたい小さな作業です。メモ、ちょっとした検索、クリップボード履歴、正確な時計など、作業中の画面のサイズを変えずに上に置いておきたいものです。私たちが Floating Tools を作ったのは、まさにこの隙間を埋めるためです。フローティングのクイック入力ボタンに加えて、フローティングのブラウザ、メモ、クリップボード、時計のウィンドウを備えており、前述の「他のアプリの上に重ねて表示」の権限を使って動作します。

どの方法を使うにしても、目標は同じです。無駄な切り替えを減らし、スマートフォンを作業の流れに合わせて動かすことです。

あわせて読みたい